このゼミの目的は二つあります。ひとつは政治などの社会現象を、個人の「感覚による分析」ではなく「科学的に分析」する手法を習得することです。もうひとつの目的は、ゼミナールに参加することで先輩・同期・後輩諸君と仲良くなり、楽しく幸せな大学生活を送ることです。
このゼミでは「科学的な分析」を目指しますが、「科学的」とは、私たちが日常見聞きする社会現象を「原因」→「結果」という因果関係によって理解しようとする姿勢のことです。お酒を飲めば酔っ払い、勉強をすれば成績が上がる、などというのも因果関係の一例です。政治現象を分析する上でこの「原因」と「結果」を特定し、仮説をデータによって検証する具体的な方法を学びます。
「科学性」は「信念」とは異なります。「信念」によってではなく「データに基づいて」自分の考え方をきちんと示すことは、政治学に限らずあらゆる分野において、きわめて重要な技術です。しかしこのスキルを身につけるためには、経済学的な分析手法や統計学の基礎を集中して習得する必要があります。実証的な議論の立て方や、その根拠としてのデータ分析の方法を学べば、企業人・官僚・ジャーナリストとしても、説得力のある議論を展開できるようになるはずです。楽しみながら、実証的な政治分析の手法を習得し、伝統的な政治学とはひと味違う「新たな政治学」の世界をかいまみてください。